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みんなで守る!保育園のケガ情報共有

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はじめに

子どもたちの成長にとって避けては通れないこと。ケガ。小さなケガや事故が発生することは珍しくありません。しかし、保育者にとってその一つ一つに対応し、経過観察や保護者に伝達と、情報共有が必要になる場面でもあります。従来、紙ベースでの記録や共有が主流でしたが、この方法には多くの課題が伴います。リアルタイムでの共有が難しく、情報の伝達に時間がかかること、また記録の保管や管理においても不便さがありました。

今回は、Googleフォームを活用したケガの記録と共有で、これらの課題を効果的に解決します。無料で、簡単に設定が可能でありながら、高いセキュリティを確保できる点は、保育園運営において大きなメリットと言えるでしょう。また、リアルタイムでの情報共有が可能になることで、保育者間、保育者と保護者間のコミュニケーションが格段に向上します。

この記事では、Googleフォームを用いたケガの記録と共有が、どのように保育園の運営を効率化し、保育の質を向上させるのかを掘り下げていきます。メリットと、具体的な導入方法についても解説していきましょう。

紙ベースの記録管理の課題

保育園での小さなケガや事故を紙に記録するのは、保護者に伝える上でもとても重要でした。しかし、技術や情報の取り扱いなど、社会が変化している今、手軽でシンプルな方法とはいえ、実はいくつかの問題点が潜んでいます。

問題点①:リアルタイムの情報共有が難しい

保育園では日々、多くの出来事が起こり、それらを迅速に共有することがチームワークを保つ上で非常に重要です。しかし、紙では、『紙を持っていく』『紙のある所に行く』等、情報を得るために必要のない動作が発生し、時間のロスになります。

問題点②:整理や保管に手間がかかる

長期間にわたって記録を保存する必要がある場合、その管理は非常に煩雑です。さらに、これらの記録を後でデジタル化しようと思ったら、一つ一つ手作業でデータ入力する必要があり、これがまた時間を大きく消費する作業になります。

問題点③:情報が伝わらないことがある

記録する人によって書き方が異なるため、情報の一貫性が失われることも問題の一つです。さらに、読み手の解釈にも変わるため、職員間での情報共有を難しくし、重要な情報が伝わらない原因にもなり得ます。

これらの問題は、保育園の日常運営における大きな障壁となり、職員間のコミュニケーションの効率を大きく下げることにもつながります。

Googleフォーム導入がもたらすメリット

Googleフォームを使い始めると、保育園での記録や情報の共有がぐんと楽になります。ここでは、その具体的な良いところを、もっと簡単に、もっと詳しくお話します。

メリット①情報共有がリアルタイムでできる

何かあったら、フォームに書き込むだけ。これで、他の先生方と情報がすぐ共有できます。例えば、子どもが転んでしまったときも、すぐに書けば、他の先生がその子に特別な注意を払うことができるようになります。

メリット②いつでもどこでもチェック可能

スマホやパソコンがあれば、すぐに確認できるのもよいところ。散歩先でもケガの情報を共有し、遊んでいる様子の経過を観察できたり、子どもの変化にいち早く気づけるようになります。

メリット③記録がずっとキレイに残る

Googleフォームに入れた情報は、自動で整理されて、きれいに保存されます。紙の山を漁ることなく、必要な情報をパパッと見つけられます。しかも、みんなが同じフォーマットで書くから、情報がバラバラになる心配もありません。

メリット④安全な情報保護

大切な情報は、しっかり守られます。誰が見られ、編集可能かも、細かく設定できるので、安心して使えます。

メリット⑤誰でも簡単に情報を記録できる

Googleフォームの最大の魅力は、文章を書くのが苦手な人でも、質問に答える形式で簡単に情報を記入できることです。これにより、記録の作成が特定の人に依存することなく、誰でも平等に、簡単に情報を共有できるようになります。

Googleフォームを活用することで、職員間のコミュニケーションが向上します。結果として、子どもたちへの保育にもっと集中できる時間が増え、保育園の毎日をもっと豊かにすることができるのです。デジタルツールを上手く使って、保育園での働き方をアップデートしましょう。

Xポストから実際の使用動画が見られるようになっています。

Googleフォーム(保育園でのケガの記録)作成方法

Googleフォームを使って、保育園でのケガの記録と共有をもっとスムーズにする方法をご紹介します。このガイドでは、実際にフォームを作成し、使い始めるまでの②ステップを簡単に説明します。

※Googleフォームの使い方は、以下の記事でも詳しく画像付きで紹介していますので是非参考にしてみてください。

ステップ①Googleフォームの作成

Googleドライブにログインし、「新規作成」から「Googleフォーム」を選択します。

ケガの記録用フォームを作成するため、必要な質問項目を追加します。

情報共有するうえで5W1Hを考えて作成することで、必要な情報を記録しやすくなります。

以下、質問項目と形式の例を挙げます。

  • 記入保育者名:短文回答
  • 子どもの名前:短文回答
  • ケガ発生場所:プルダウンまたは短文回答
  • 発生日時:日付と時刻
  • ケガの種類(打撲、切り傷など):チェックボックスまたは複数選択
  • ケガの部位:テキスト回答またはチェックボックス
  • ケガの状況の説明:段落テキスト
  • 対応措置(応急処置内容、子ども同士の対応など):段落テキスト
  • 写真添付(必要な場合):ファイルアップロード

等が考えられます。

質問形式は、選択式、短文回答、など、情報を簡単に入力できる形式を選びましょう。

また、後述のGoogleスプレッドシートでは回答を出力し、表形式でまとめることができます。その出力をどのようにしたいかによって内容を変更してもよいでしょう。

ステップ②フォームを入れる人の招待方法

フォームの右上にある「送信」ボタンをクリックし、共有したい職員のメールアドレス(園で使用している端末のアドレス)を入力します。または、リンクを生成して職員間で共有することもできます。

必要に応じて、質問内容を編集できる権限を持つアドレスを追加することができます。これにより、入力はだけできる人、内容を変更できるのは限られた人だけになります。

実際にフォームを使用する

共有したフォームは、職員がケガや事故があった際にすぐに情報を入力できるようになります。スマートフォンやタブレットがあれば、現場で直接情報を入力することも可能です。

端末のホームやデスクトップ画面にフォームにつながるリンクを貼り付けておきましょう。

導入後は定期的な評価と更新も大切

時間が経つにつれて、フォームの内容を更新する必要が出てくるかもしれません。例えば、新しい質問を追加する、不要な項目を削除するなどの更新を行いましょう。

定期的にフォームをレビューし、保育園のニーズに合わせてカスタマイズしていくことが大切です。

スプレッドシートへの出力をする方法

Googleフォームを使って保育園でのケガの記録を管理する際、入力されたデータを自動でGoogleスプレッドシート(表)に出力する機能は非常に便利です。ここでは、スプレッドシートへの出力の正しい設定③ステップとその活用ポイントを改めてご紹介します。

スプレッドシートを利用することのメリット

メリット①表形式での整理が容易

データを表形式で管理し、子どもごと、クラス毎、月ごとなど、さまざまな視点での並べ替えが楽に行えます。また、使用用途に合わせたデータにすることも可能(ExcelやPDF)。

メリット②記録としての活用

子どもの行動観察記録など、記憶に頼ることなく、具体的な記録として残しておくことができます。これにより、観察や評価がより客観的に、かつ具体的に行えるようになります。

メリット③編集できる範囲や人を決められる

スプレッドシートにアクセスする人や変えたくない部分を編集できなくする設定もあるため、誤操作を防ぎつつ必要な情報の追加や更新が行えます。逆に、フォームをおくった後に変更があった場合や保護者に伝えたときの様子、特記事項等の追記も可能。

スプレッドシートへの出力設定

ステップ①Googleフォームを開く

Googleフォームを開き、ケガの記録用フォームを作成または選択します。

フォームの上部にある「回答」タブをクリックします。

ステップ②スプレッドシートの作成

「回答」タブ内で、スプレッドシートのアイコン(緑色のスプレッドシートマーク)をクリックします。

「新しいスプレッドシートを作成」を選び、スプレッドシートの名前を入力し、「作成」ボタンをクリックします。

ステップ③自動出力の開始

これで、フォームに入力されたデータは自動的に新しく作成されたスプレッドシートに出力されるようになります。

Googleフォームとスプレッドシートを組み合わせることで、保育園でのケガの記録管理が格段に向上します。デジタルツールを使って作業効率を上げ、より良い保育環境の実現を目指しましょう。

まとめ

今回は、Googleフォームを活用した保育園でのケガの記録と共有方法について掘り下げてきました。デジタル化の波は、保育園の運営にも新たな風を吹き込んでいます。情報共有がスムーズになり、職員の負担が軽減されることで、子どもたち一人ひとりにさらに注力できる時間が生まれます。

次の一歩。

デジタルツールの導入は、単に業務の効率化を図るだけではありません。それは、保育の質を高め、子どもたちの安全と健康を守るための、もう一つの大切なステップです。この機会に、ご自身の保育園での日常業務に目を向け、どのような改善が可能かを想像してみてください。もしかすると、思いもよらないポジティブな変化が待っているかもしれません。

保育園での記録管理方法について、一度立ち止まって考えてみませんか?

テクノロジーを上手く活用することで、保育の質をさらに向上させることができます。保育園で働く全ての人が、ツールを味方につけ、子どもたちのために最善を尽くせるようになる。そんな未来を一緒に作り上げていきましょう。