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『保育園で最適なICT端末の選び方:端末選択&比較ガイド』

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時代背景と現状分析

保育園でのICT化が進む背景には、社会のデジタルトランスフォーメーションと、教育現場における新たなニーズの出現があります。日本全体でデジタル技術の活用が推進されており、教育分野でもその波が押し寄せています。保育園では、保護者とのコミュニケーション強化、業務効率の向上など、多方面でICTの導入が求められています。(https://www.mhlw.go.jp/hoiku-hellomirai/shikaku/job/

しかし、保育園におけるICT化の現状は、施設によって大きなばらつきがあります。一部の施設では、デジタル日誌を利用したり、保護者とのコミュニケーション手段の充実等、積極的にICTを取り入れています。しかし、保育園によっては、ICTを導入したいと考えながらも、どのような端末やツールを導入すればよいのか、どのように導入を進めればよいのかといった課題に直面しています。予算の制約、人材や知識の不足も導入を複雑にしています。

このような状況の中で、保育園それぞれのニーズに合致した端末選択は、ICT化を成功させるための重要なステップです。端末選択に際しては、最新技術だけでなく、コストパフォーマンスや操作性を考慮し、保育園の具体的な業務や目指す目標に最適なものを選ぶことが重要です。

園で導入したいサービスや、ICT化したい業務によっても変わるので、相談をXのDMで随時受け付けますね。

端末の比較(使用例つき)

タブレット

操作性

タブレットは大画面でタッチスクリーン操作が可能。大きいので見やすさも〇。迅速に情報を閲覧・共有できる点が魅力です。

耐久性

タブレットを保育園で使用する際には、落下や衝撃に強い耐久性が求められます。耐衝撃ケースの使用は必須。日常的な利用においても長持ちするよう設計されているも登場しています。

コスト

・価格は約2万円~10万円以上。

・ランニングコストについては、耐久性の高いケースや追加の保険により若干上昇する可能性がありますが、一般的には年間数千円程度。保育園の用途に応じて、中価格帯のモデルであれば5万円前後で購入できます。

使用例

・日報作成、写真撮影、保護者との情報共有アプリへのアップロードなど、多様な業務に対応可能です。

・パソコンでの作業内容や画面と同じ様に使えるものも多いです。

・園だよりやイベントチラシ等ビジュアルコンテンツの扱いにも優れています。

苦手な業務や操作

・長文の文書作成や、高度なデータ処理作業は、タブレットの画面キーボードでは手間がかかり、不向き(この場合外付けのキーボード使用推奨)。

・戸外での置き場所確保や持ち運びによる落下のリスクあり。

・長時間の写真撮影は不向き。重さで手が疲れる。

◎総評

タブレットは保育園における情報共有、視覚的なコンテンツの作成・閲覧に非常に適しています。操作性と携帯性のバランスが良く、日常業務の効率化に貢献します。ただし、詳細な作業や長時間の写真撮影、データ入力には不向き。

スマートフォン

操作性

スマートフォンは持ち運びと即使えるという利便性を兼ね備えています。タッチスクリーンと直感的な操作性で、緊急時の連絡などにも使用できることから1台で連絡手段として、業務実行手段としても最適です。

耐久性

スマートフォンの耐久性はモデルによって異なりますが、保育園での使用を考えると、耐衝撃・防水・防塵・ケース利用が一般的です。最近のモデルは壊れにくいものが増えている印象です。

コスト

価格は約3万円~10万円を超えるものもあります。

ランニングコストは、通信費やアプリケーションの購入費用が主なものとなり、月額数千円から数万円の範囲で変動します。

保育園での使用を考えると、中価格帯のモデルや、複数台契約することで通常より安くなるプランの契約などでも、コストを抑えることが可能です。

使用例

・園外活動時の写真撮影、緊急連絡手段、簡単な情報の検索や共有に使用されます。

・その手軽さから、保育者間・保護者との日々のコミュニケーションツールとしても活躍します。

・タイマーアプリなどの使用は保育現場でも使用できます。

苦手な業務や操作

スマートフォンは画面サイズが小さいため、長時間の文書作成や詳細なデータ分析作業には不向きです。また、長文の入力作業も効率が悪い(人によってフリック速度に差があるため一概に効率が悪いとも言えないですが…)です。

◎総評

スマートフォンは、その携帯性と即時性から、急ぎの連絡や短い情報の共有には非常に適しています。しかし、複雑な業務処理や大量のデータ入力には向いておらず、この点を考慮した上での選択が必要です。

パソコン

操作性

キーボードとマウスを用いた操作は、文書作成やデータ管理など、詳細な作業に最適です。多機能であり、教育ソフトウェアや管理ツールの使用にも適しています。

耐久性

パソコンの耐久性は使用環境によりますが、一般的にはタブレットやスマートフォンに比べて故障しにくいとされています。定期的なメンテナンスが重要です。

コスト

・価格は約5万円~20万円以上。

・ランニングコストには、ソフトウェアのライセンス更新費用やセキュリティ対策のための投資が含まれ、これらは年間数万円程度になることが一般的です。

・保育園でのバランスの取れた選択としては、10万円前後の中価格帯のモデルが最適であり、必要な業務をこなしつつ将来的なアップグレードの可能性も考慮すると良いでしょう。

使用例

月次報告、年次計画の作成、財務管理、子どもたちの成長記録のデータベース管理など、複雑かつ詳細な業務でも使用可能。

苦手な業務や操作

パソコンはその性質上、携帯性に乏しく、園外での活動や即時性を要求される業務には不向きです。

◎総評

・パソコンは、保育園での文書作成、データ管理、財務管理などの複雑で詳細な業務を効率良く行うための最適な選択。基本的に必要になる場面多い。

・スマホやタブレットで作業するために設定や登録を行うにも使用することもできます。

・その多機能性と高い操作性により、業務の質と速度を大きく向上させることができます。

導入した後:課題と解決策

保育園でICTを導入する過程において直面する可能性のある課題と、それに対する解決策も少し紹介します。

1. 課題:技術的な知識の不足

  • 解決策
  • 技術的な知識やスキルの不足は、ICT導入の初期段階では課題となり得ます。しかし、長期的に見れば、デジタルネイティブな世代が保育者として増えていくことで、この課題は自然と解消されるでしょう。むしろ、この変化は保育園にとって大きな強みとなり、職員がICTを活用して保育に新たな価値をもたらす機会を提供します。そのためには、職員が技術を活かしやすい環境を整え、継続的な学習と実践の場を設けることが重要です。

2. 課題:予算の制約

  • 解決策
  • 助成金や補助金の活用、リースやレンタルオプションの検討が有効です。また、コストパフォーマンスが高い中古機器の利用も一つの選択肢となり得ます。

3. 課題:運用と保守の難しさ

  • 解決策
  • ICT機器の運用と保守に関しては、メンテナンス契約の締結や、サポートサービスの利用が有効です。また、導入前には、ICTの得意な人材が園内にいるか、また購入先でのサポートを受けられるかを確認しておくことが大切です。シンプルなシステム構成を心掛け、トラブル時の対応を容易にすることも有効な戦略です。

4. 課題:保護者と職員からの理解を得ること

  • 解決策
  • ICT導入の目的とメリットを明確に伝える保護者向けの説明会や資料の提供が効果的です。また定期的なフィードバックの機会を設け、職員や保護者の声を聞くことで、理解と支持を得ることが可能です。

結論

保育園でのICT導入は、現代の保育施設運営において避けて通れない重要なステップです。ICTを活用することで、保育の質の向上、保護者とのコミュニケーションの強化、そして運営の効率化を実現することが可能になります。しかし、その成功は適切な端末選択、職員の技術的な理解とスキル、予算の適切な管理、そして職員や保護者からの支持を得ることに大きく依存しています。

本記事では、タブレット、スマートフォン、パソコンといった主要な端末の選択ポイント、それぞれの強みと弱点、そして具体的な使用例を紹介しました。また、ICT導入に際して直面する可能性のある課題と、それらを克服するための解決策を提供しました。

保育園でのICT導入は一朝一夕に達成できるものではありませんが、計画的に、かつ段階的に取り組むことで、そのメリットを最大限に享受することができます。今後、デジタルネイティブな世代が保育者、親として増えていくことで、ICTの活用はさらに進化し、保育園での日々の業務や連携に新たな価値をもたらすことでしょう。

保育園におけるICT導入の旅は挑戦と発見に満ちていますが、それを通じて得られる経験と成果は、業務を効率化し、子どもたちの成長と発達にとって計り知れない時間を生み出すツールとなるはずです。ICTを活用することで、保育園はより豊かで効果的な環境を提供することができるのです。